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OPムービーの作り方<14> カメラを意識しよう!

相変わらず放置気味のブログでごめんなさい!久々の更新です。見てくれる人が居るか謎ですけど・・・(´ヮ`;

さて、今回はカメラによる演出を意識してみようというお話です。漫画もアニメもCGもカメラでの撮影を意識した絵作りが積極的に行われています。例えば太陽を見上げたときに沢山の六角形や丸が並んでたりしますよね(人間の目ではこんなこと起きないです!)。眩しさと逆光を表現する記号としてすっかりお馴染みのレンズフレアですが、他にもカメラならではの表現を取り入れることで、より世界観や臨場感を深めたり、リアリティを出すことが出来ると思います。

  • 望遠と広角による見え方

    今や携帯カメラにも付いているズーム機能。もっと大きく撮りたいけど近寄れないからズームしたり、建物全体を撮りたいけど離れられないからワイドにしたり、きっとそんな使い方が普通だと思います。だけど見え方としては、近寄る・離れることと、望遠・広角では実は全く違っています。

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    広角(ワイド)では広い視界が画面に収まります。例えば↑こんな感じ。遠近感がとても強調されて、ちょっと離れるだけで対象の大きさはどんどん小さくなります。奥行きを出したいときにぴったりの表現。

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    一方望遠(ズーム)にすると、さっきと同じ位置に二人が立っていたとしても、↑このように写るハズ。遠近感はなくなり、手前のモノと奥のモノの大きさの差が潰れてなくなってしまいます。

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    広角側では広く写るので、空間の雄大さを表現するのにぴったり。手前はとことん大きく、奥はとことん小さくすることでより一層遠近感を出すことができます。また魚眼レンズっぽく、画面周辺がぐねっと曲がった絵もよく見かけますよね。

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    一方望遠側では遠近感がつぶれて、遠くのものも大きく写ります。例えばこんな風に月や太陽を背負った表現などが出来ちゃったり。また、対象の前後がとても良くボケる(ピントが合わなくなる)ので、印象的な絵作りも可能です。

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    例えば↑こんな感じ。主役を引き立てるために、背景をぼかすのはアイドル写真とかでも良く使われますよね(笑。写真・映像の世界では、ピントが合う範囲のことを被写界深度と言って、大事な表現技法のひとつです。

    ピントを合わせる対象がカメラに近いほどまたカメラが望遠であるほど、背景はよくボケるようになります。広角レンズでは普通ボケを出すことが出来ません、また良く晴れた屋外でもボケを出すことは難しいです。ボケを綺麗に出すには木漏れ日の下、曇り空、明方夕方など、光の弱い場所がベスト!(これはレンズの絞りを開くほどボケるからです、明るい場所では絞る必要があるのでシャープに写ります)

    このレンズによるボケですが、実はガウスぼかしとはボケ方がちょっと違っているんです。最近のPhotoshopはレンズぼかしフィルタが付いているので、これを使うと断然綺麗!またAfterEffects用にもサードパーティのプラグインがあってアニメ撮影現場ではよく使われているみたいです。新海ムービーでもばりばり(笑。

  • 逆光の表現

    順光(対象の正面に光が当たっている状態)では人の目もカメラの目も、あまり写り方に違いがないのですが、逆光ではとたんにカメラ独特の写り方となります。

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    例えば部屋の中で窓際に立っている人物を撮ると、人の目には窓の外も人物もどちらもちゃんと綺麗に見えているのですが、カメラでは人物が真っ黒に写ったりします。これはカメラのダイナミックレンジ(認識できる明るさの階調)が人に比べてとても狭いからです。背景の空に明るさを合わせると、部屋の中は圧倒的に暗くて、全て真っ黒(露出アンダーと言います)になってしまいます。

    でも表現としてはこれは失敗ではなくて、夕焼けの海を背負ったシルエットなどは、お馴染みの表現のひとつですよねっ。

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    さっきと同じ状況で今度は部屋の中の人物に明るさを合わせて撮影すると、背景の窓の外は真っ白に飛んで(露出オーバー)写ります。アニメなどの逆光表現ではこっちの方がどちらかと言うとメジャー?でしょうか。同じく印象的な場面でよく用いられます。

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    そしてCGでは使わないと損というくらいメジャーなフレアと、アニメで良く見かけるようになったハレーションです。ハレーションの例はちょっと新海さんすぎました(笑

    フレアはカメラのレンズに光源(太陽とか)の光が反射することで、ハレーションはフィルムにフレームの近くの強い光が当たって感光することで起きる現象で、どちらもカメラ的には撮影者が意図せず写ってしまう失敗のひとつ。でも叙情的な映像表現の世界では綺麗ですし、光の記号的表現としてピッタリなのでよく用いられます。ここぞと言う時だけに使いましょう(´ヮ`


    映像に味と深みとリアリティを出すのに一役買っている、これらのカメラチックな表現ですが、ムービーでの主役はあくまでイラストで描かれた2Dキャラ達です。あまりリアリティにとらわれ過ぎない様に自由なカメラワークを尊重して、また世界観を壊さないように、キャラ達に違和感なく馴染む表現を第一にこころがけましょう~。

    (画像の著作権はALcotさんにありますので転載禁止ですっ)
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  • by hatsuyuki0422 | 2008-09-06 00:00 | OPムービーの作り方